映画『ルパン三世 THE FIRST』の感想 歴史を知っていると、より面白く観れる! | 歴くまブログ

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映画『ルパン三世 THE FIRST』の感想 歴史を知っていると、より面白く観れる!

こんにちは、歴くまです!

2019年もあとわずか、というところで、劇場版ルパン三世の最新作『ルパン三世 THE FIRST』が公開されました。

早速観てきたのですが、ルパン好き、歴史好き、王道ストーリー好き、どんな人が見ても楽しめる映画だなと思いました。(昔からルパンが好きという方には、また違って見えるかもしれませんが。)

私が映画を観ていて一番楽しかったポイントは、ストーリーに歴史的な背景があったことです。

今回は映画の感想を、歴史的な背景と一緒に書こうと思います。

(注意)以下、映画のネタバレがあります。

時代背景

時代としては第二次世界大戦からおよそ20年後の世界が舞台となっています。

ナチス・ドイツの総統、アドルフ・ヒトラーが追い求めた、宝の在処が記された書物『ブレッソン・ダイアリー』を巡り、ルパン三世とネオナチが対決します。

この書物の著者、ブレッソン教授はフランスの考古学の教授で、第二次世界大戦中にドイツ占領下のフランスでドイツ兵の手により殺害されたという設定です。

教授が殺されたとき、教授の孫娘のレティシアはまだ生まれたばかりでした。

作中でレティシアはおよそ20歳前後(主観)でしたので、舞台となった時代は1960年代前半くらいだと思われます。

研究機関「アーネンエルベ」とは?

映画には、ブレッソン教授の他にもう一人教授が登場します。

それがランベール教授、とある研究機関の創立メンバーとして出てくるのですが、それが「アーネンエルベ」です。

アーネンエルベはドイツ語では「Ahnenerbe」。Ahneは先祖、erbeは遺産を意味するので、先祖の遺産、つまり考古学の研究機関でした。他にも社会科学や自然科学など、研究分野は多岐にわたったそうです。

では、なぜこのような研究機関が設立されたのでしょうか?

アーネンエルベを創設したのは、ナチスの親衛隊(SS)のトップ、ハインリヒ・ヒムラです。

ヒムラ―は徹底した人種差別主義者で、「北方人種」「アーリア人種」の優位性を信じ、先史時代には北方人種が世界を支配していたことを証明させようとしました。

その学術的裏付けをするために設立されたのが、古代の歴史を扱う「考古学」の研究機関だったというわけです。

ヒムラ―はオカルトにも関心を持っていたため、アーネンエルベでは科学的研究の他にオカルト研究も行われていたそうです。

ちなみに、ランベールはフランス語の人名なので、ランベール教授は「祖国フランスを裏切り、ナチスの研究機関を設立した」という設定の人物だと考えられます。

語られ続ける「ヒトラー生存説」

(左)変装して逃走するヒトラーの想像図(右)ヒトラー本人

ヒトラーは1945年4月30日、ベルリン市内の総統地下壕で自殺しました。

当時、ドイツの敗戦は決定的で、ベルリン市はソ連軍に完全に包囲されていました。ヒトラーは救援部隊の到着をひたすら待ち続けます。

しかし、いくら待てどもベルリンを救出に来るはずの部隊が来ない、そんな状況でヒトラーの精神は日に日に病んでいきます。

そして、最期を悟ったヒトラーは、国民に存在を隠し続けてきた愛人のエヴァ・ブラウンと結婚し、その翌日、二人で壮絶な自殺を遂げるのです。

ここまでが一般的に語られるヒトラーの最期ですが、実はヒトラーは総統地下壕から脱出し、南米に逃げ延びたという説があるのです!

この説は、ヒトラーは密かにベルリンを脱出し、Uボートに乗って南米へ逃亡。偽名を使って生活し、南米で死んだというものです。

しかし、2018年にフランスの医学チームがロシアに保存されていたヒトラーの義歯の断片を調査したところ、生前ヒトラーが撮った歯のレントゲン写真と一致したことから、ヒトラーは死んだと結論付けました。

ヒトラー逃亡説は、そのあまりのカリスマ性から「ヒトラーが死ぬはずがない」と考えた人々が作り出した幻想なのでしょう。戦後、ヒトラーの遺体の処理はソ連によって行われ、西側諸国は遺体を確認できなかったことも、この説の広がりに拍車をかけたと考えられます。

本当に生き延びたかどうかは別にして、ヒトラーが後世の人々に与えた影響は途轍もなく大きいということは疑いようがありません。

映画ではこの説に乗っかり、死んだと思われたヒトラーが、実は南米ブラジルで生きていたという設定になっています。

ヒトラーが求めた「お宝」

映画の中でヒトラーが求めていたお宝は『ブレッソン・ダイアリー』でしたが、史実でヒトラーが求めたお宝として知られているのが『聖槍(ロンギヌスの槍)』です。

聖槍は、イエス・キリストの死を確認するために、その遺体を突いた槍とされています。

現存する聖槍は複数あると言われていますが、そのうちの一つがウィーンのホーフブルク宮殿にあるものです。

絵描きとして、その日暮らしの生活を送っていた若き日のヒトラーは、この聖槍を目にして野望を抱いたという説があります。

事実、アンシュルス(オーストリア併合)を行ったヒトラーは、聖槍をナチス党大会が開催されるニュルンベルクに移管しています。

その後、チェコスロバキア、ポーランド、フランス、ユーゴスラビアと快進撃を続けるナチス・ドイツでしたが、ソ連と連合国の挟撃に遭い、1945年4月にはニュルンベルクが陥落。聖槍は連合国の手に渡ります。

ヒトラーが自殺したのは、その数日後のことでした。

まとめ

今回は映画の感想と一緒に、時代背景となった第二次世界大戦中のフランス、ドイツについて書いてみました。

映画を観る前に歴史的背景を頭に入れておいてから観てみると、より面白く観られると思います。

あとは人名がフランス語かドイツ語かも分かっていると、その人の今までの行動が読み取れるので、観ていて楽しいと思います。

ランベールはフランス語の人名だけど、ナチス・ドイツの研究機関に所属していたから、ランベール教授は祖国フランスを裏切ってナチスに協力したのかな?みたいな感じです。

ルパン三世 THE FIRST』は笑いあり、涙ありのとても面白いストーリとなっているので、是非映画館に足を運んでみて下さい。

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