こんにちは、歴くまです!
「なぜユニオンジャックにはウェールズの旗がないのか」という記事を以前投稿したのですが、思いのほか見ていただけたようで、とてもうれしいです!
今回は、国旗つながりで、ここ10年20年くらいの間に変わった国旗について調べてみました。
小学生の頃など、昔の方が地図帳を見る機会が多かったので、むしろ今の国旗を見て「こう変わったんだ!」と思うことが多いですね。
国旗が変わるその裏では様々な物語があります。
それを知ると、国旗を見るのがより楽しくなってきますよ!
リビア
1972年、リビアは汎アラブ主義を唱え、エジプト、シリアとアラブ共和国連邦を結成し、国旗にはエジプトの国旗を使っていました。
しかし、エジプトが単独でアラブ諸国共通の敵であるイスラエルと単独で和解し、さらにアメリカにも接近したため、リビアの指導者カダフィは激怒します。
カダフィは即刻エジプトとの合邦・同盟を解消し、「翌日までに新しい国旗を作れ!」と側近たちに命令します。
困ったのは側近たち。言われたのが深夜だったこともあり、時間がありませんでした。
そのため、凝ったデザインを考えることはできず、「もうこれでいいや!」とイスラム教で最高の色である緑一色を国旗の案として提出します。
カダフィはこれを非常に気に入り、2011年にカダフィ政権が倒されるまではリビアの国旗は緑一色でした。
小学生の頃、地図帳で見ていて一番印象的だったのがリビアの国旗です。
多様なデザインの国旗の中で、一つだけ緑一色の国旗は「俺はこれがいいんだ!」という主張をしているように見えました。
そんな国旗もカダフィ政権の崩壊と共に終焉を迎え、現在リビアは王政時代の国旗を使っています。
イラク
2003年にフセイン政権が倒され、翌年にイラク暫定政権が樹立されると、新たな国旗を作ることになります。
フセイン政権時代はサダム・フセイン直筆の「アッラーフ・アクバル」という文言が3つの星の間に書かれていました。
暫定政権は、この文言の書体をクーフィー体に変更したものを使用することにしました。
しかし、これは暫定的なものであり、公式の国旗ではありませんでした。
2008年の国旗法改正によりバアス党(汎アラブ主義政党)の象徴であった3つ星が削除され、現在の国旗となりました。
ベネズエラ
ベネズエラの国旗は、黄・青・赤の三色旗の中央に星があしらわれたデザインです。
ですが、もともと中央に星はありませんでした。
19世紀前半には独立戦争時に立ち上がった7植民地州を表す7つの星が国旗中央に追加されます。
1817年にはラテンアメリカの「解放者」シモン・ボリバルがガイアナの解放を受けて8つ目の星を追加しました。
その後、また7つ星になりますが、2006年に再び8つ星となります。
しかし、現在ガイアナは独立国であり、ベネズエラの一部として見做しているとの批判もあります。
ジョージア(グルジア)
ジョージアは国旗だけでなく、国名も変わった国です。
ソビエト連邦の指導者、ヨシフ・スターリンの出身地があります。
1991年、そのソビエト連邦が崩壊し、グルジアは独立します。
もともとの国旗はワインレッド・黒・白で、ワインレッドは過去および未来のよき時代を、黒はロシア帝国による統治を、白は平和への希望を表すとされています。
そして2004年に白地に5つの十字架をあしらったエルサレム十字のデザインが新たな国旗として採用されました。
この国旗は遡ること約1000年、11世紀初頭のバグラト3世の時代に作られたと言われています。
また、ジョージアは独立直後の国名は「グルジア」でしたが、ソ連崩壊によりロシア語は公用語とされなくなり、国民の反ロシア感情もあって「ジョージア」が国名として使用されるようになります。
日本に対しては、2014年に「グルジア」から「ジョージア」に外名を変更してもらうように要請があり、現在マスメディアは「ジョージア」で報道しています。
レソト
レソトは周囲を南アフリカ共和国に囲まれた世界最南端の内陸国です。
1966年にイギリスから独立し、国旗が制定されますが、1987年のクーデターにより新国旗が制定されます。
白地の上の図は伝統的なソト人の盾に槍と棍棒のシルエットだそうです。
私には人間が何か背負っているように見えるのですが、何かかわいいデザインですね!
白は平和を表し、水色は雨、緑は繁栄を象徴していました。
1993年に王政から立憲君主制に移行しますが、国旗はそのままだったので議論となりました。
そして2006年に独立40周年を記念して、現在の国旗が制定されます。
国旗の真ん中にあるのは、独立時の国旗にも使われていたソト人の帽子です。
まとめ
小学生の時に使っていた地図帳を改めて見返してみると、「この国旗、今のと違う!」「あの国、10数年前は無かったんだ!」と新しい知見が得られます。
一昔前の地図帳と今の地図帳を比べてみると面白いです!
次は祖父が使っていた戦前の地図帳をじっくり見てみたいですね。